海外における太陽光発電

太陽光発電先進国であるドイツ、国土の広いアメリカ、その他海外での太陽光発電の歴史と現状をレポートする。

 

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◆太陽光発電をけん引した国、ドイツ

自然エネルギー先進国のドイツは2000年から「固定価格買取制度」により自然エネルギーを20年間固定した価格で買い取る事を始め、太陽光発電は爆発的に増加した。

この自然エネルギー買い取り制度で家庭の電気料金は高騰したので、この政策を「失敗事例」と単純に評価している人もいるがそれは間違った評価ではないでしょうか?

もし何もせずに原子力発電や火力発電に頼っていたならば、ドイツは違った道を歩み、何も変化は無かったでしょう。
2011年時点でドイツの自然エネルギー比率は20%を超えました。

そして2014年時点でのエネルギーミックスは、自然エネルギー26.2%、石炭火力43.2%、原子力15.8%、LNG9.5%、となっていて自然エネルギーの内訳は、風力9.1%、バイオマス7.0%、太陽光5.7%である。

太陽光発電は昼間のみ発電可能でベースエネルギーにならないと言う批判があるが、逆転の発想で昼間こそ電気使用量がピークになるから、ピーク対応には最適な発電方法であると言える。

ドイツの固定価格買取単価は0.15ユーロ(約19.5円)/KWであり、家庭用電力料金は0.27ユーロ(約35.1円)/KWとなっていて市場に売却するよりも自家消費した方が有利である。
(ドイツは電気にかかる税金が高く約12円/KWであり、税金を差し引くと約23円/KWとなり日本とそれほど差は無い)
従って従来は産業用が中心であった太陽光発電が家庭用にも徐々に普及し始めている。

小規模太陽光発電普及の為にドイツは2013年に蓄電システム導入を促進する目的で補助金制度を始めている。

 

◆アメリカの太陽光発電事情、国土が広くて有利である

アメリカは太陽電池を1954年に発明し、最初の太陽電池を人工衛星に搭載した「太陽光発電の父」なる国です。

しかし民間ベースの太陽光発電においては欧州に後れを取りました。しかし今現在は世界第2位の太陽光発電大国になりました。

アメリカは電力やエネルギー政策も基本は連邦政府が決めますが、各論は州政府が決定する仕組みになっています。

従って州により再生可能エネルギー(太陽光発電)に対する温度差があります。
カリフォルニア州やアリゾナ州などは太陽光発電の導入に熱心な州である。

アメリカの場合も他の国と同様に政府の後押による税制の優遇措置や補助金制度が太陽光発電の導入促進に役立ちました。
最近の情報によるとネバダ州やテキサス州の巨大メガソーラー(100MW級)の競争入札で電力価格が4セント(約5円)/KWという安さである。

米政府の公式発表数字でない為、数字の信ぴょう性は100%正しいとはいえないかもしれないが、とにかくアメリカの太陽光発電の実力はもの凄く向上してきたのは事実である。

アメリカは国土が広く、特にテキサスやネバダは「不毛の地」もあり、土地の取得や賃貸料が日本とは比較にならに程安い。

すでに石炭火力や原子力発電とも競争できるコストを実現しつつあることは確かなことである。

 

◆中国の太陽光発電事情

中国では経済発展に伴い電力開発は国の最重要課題である。
石炭火力が最大の電力供給源ではあるが、再生可能エネルギーの開発も急ピッチで進めている。

特に風力発電には政府の電力会社に対する義務つけがあり急速に発電量を伸ばしている。

太陽光発電においては、太陽光モジュール生産量が世界一であると言う背景を利用してここ最近は急速に拡大してきた。

2015年の中国における太陽光発電の開発量は15GWで、累積では45GWとなり、太陽光発電先進国ドイツを抜いて世界第1位になった模様である。

残念ながら発電コストのデーターが見つからない為に中国国内における太陽光発電の優位性を評価することができない。

中国において土地は個人資産にならず国から「賃借」する形式である為、資本主義国家とのコスト比較は困難である。

 

◆世界規模で見る太陽光発電

2014年度の世界のエネルギーミックスは再生可能エネルギー比率が20%を超えた。

再生化のエネルギーの第一位は水力発電で16.6%、風力3.1%、バイオマス1.8%、太陽光0.9%、となっている。

統計がでた2014年での太陽光発電ベスト5の国は、中国、ドイツ、アメリカ、日本、イタリアとなっている。アメリカがドイツを追い越すのは時間の問題(すでにアメリカは世界第2位の太陽光発電大国になっている)国土の広い中国やアメリカは太陽光発電には有利な国である。

経済発展途上のインドにも今後太陽光発電が普及するであろう。

 

◆将来の太陽光発電

全世界では総発電量のわずか1%ということは、言いかえれば拡大発展の余地があると言える。

中国やアメリカでは毎年30%以上の増加率になっていることも中期的には増加することを暗示しているようである。

課題は太陽光モジュールのエネルギー変換効率を向上する事、モジュール価格を低減する事(需要が増えれば自然に単価は下がるが、それ以外の技術的な改善と合わせた大幅なコスト低減)、太陽光発電所の耐用年数(寿命)を延ばすことの3点であろう。